アーティストの矜持

 私が考えるアーティスト・芸術家は、自分の思考や自分の世界を作品として世に送ることができる作り手だ。いかに素晴らしい作品を作っていたとしても、ある側面で新しさや、独特な世界観を持っていなければそれは職人である。

 極端な話、それはオリジナル作品でなくても構わない。パロディ化された作品は批判も受けるとは思うが、元の作品と違う切り口で違う世界を作り出せるのならそれは立派な芸術だろう。しかしながら、独自の思想もなしに既存の概念を用いることはアーティストとして決して許されることではない。前衛芸術家たちはコラージュやパロディのような、既存の概念を利用して新しい世界を切り開こうとしてきたが、これらの試みを真っ向から侮辱する行為だと思っている。

 このような、既存概念が溢れている現代社会であるが、私たちのような“一般人”こそ安易かつ大大的な作品の盗用を許す風潮を許してはいけないのだ。一方で、コミケのような個人個人で楽しむ即売会や、利益が発生しないような場ではこれらの二次創作的な活動に寛容であるべきだともべきだとも考えている。理由としては、アートやサブカルチャー文化の流行を担う重要なファクターであるし、ここを崩してしまうと元のコンテンツ自体の人気に水を注いでしまうことになるのだ。

 私たちは著作権という概念を境に絶妙なバランスでこれらのコンテンツを発展させてきたと言えるが、バランスを崩すようなことは決してあってはならない。盗作や全面的な二次創作の禁止は日本の文化を破壊してしまう。

子犬を畏れる男

本HPは私の見てきた作品等についての魅力を伝えていくためのページです。

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